COLUMN

コラム

新型コロナウイルスの感染発生から3年目を迎えているが、近所の小学校では全校での運動会ではなく、学年別に入れ替え制で決められた時間に自分の子どもの学年の競技だけを観ると言うシステムでの運動会と言うことを聞き、なんとも言えない寂しい運動会だなと思った。
諸外国、特に欧米では実施されていない運動会、どうして日本では実施されているのだろうかと思い、少し調べてみた。『学習指導要領の中の「特別活動」の一つ、健康安全・体育的行事の一貫として行われる。』となっている。もともとは明治時代海軍兵学校で行われたものが学校教育に取り入れられたと聞いている。私は戦前の軍国主義教育の名残、その一環だと思っている。

子どもたちが徒競走で1位、2位を争う。騎馬戦で赤組、白組に分かれて帽子を取り合い、勝利を奪い合う。組み体操や玉入れなど子どもの学年に合わせた種目がいっぱいある。運動が大好きだった私は運動会を毎年待ち遠くしていたことを思い出した。しかし、そうでない友達がいっぱいいたことも思い出した。勉強は嫌いで出来なくても、この時だけはヒーローになれる運動好きの子もいる。最近は運動不足の子どもが多くなり、毎年10月10日に発表される子どもの運動能力は低下傾向であることが発表されている。
運動会の教育目的が「健康安全・体育的行事の一貫」と言うことであるならば、運動が好きな子どもも運動の苦手な子どもも運動会を楽しめる工夫が必要なのではないだろうか。
なぜ学年別で競技をしなければならないのか、なぜ身長の順に徒競走をしなければならないのか。なぜリレーは学年順にバトンを渡さなければならないのだろうか。などなど私はもっとフレキシブルに運動会を見直したならば、全員で楽しんで運動会ができ、教育目的が達成できるのではないかと思っている。
たとえば、種目を先生が決めるのではなく、子どもたちに決めさせるのはどうだろうか。学年と言う垣根をとっぱらい、参加競技はすべて子どもの選択制にしてはどうだろう。1年生でも足の速い子は手を挙げ、6年生と徒競走をする。チャレンジ精神や競争力を生む。幼稚園ではあった親子一緒の競技を多く取り入れる。終わった後の家族のコミュニケーションに役立つ。父親と男性先生の徒競走、母親と女性先生のスプーンレースなど。その結果は親や先生に対する尊敬心や会話を育む。先生だけのムカデ競争などがあれば、先生の個性が見えて笑いや共感を生む。

働き方改革一丁目一番地にあたる学校の先生方は業務が多岐に渡り忙しく、どうしても前年踏襲主義になりがちである。少し考えアイデアを出し合えば、今までにない楽しい運動会を催すことができる。そうすれば行事だから実施するのではなく、子どものために具体的に教育目的が達成できる運動会ができるはずである。

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