COLUMN

コラム

野球が好きというわけではないが、大リーグの大谷選手の活躍もあり、ここ数年日本のプロ野球も含め野球を見る機会が多くなった。大谷選手は天性なのか、努力なのか、身体の大きなアメリカの選手に引けを取らない立派な活躍をしている。大谷選手だけでなく、多くの日本人選手が本場大リーグで活躍している。そんな中、スポーツ紙に載っていたサンディエゴ・パドレスにいる「ダルビッシュ・有選手」の寄稿文が目に止まった。彼は走らされることが大嫌いだったそうである。監督から毎日のように「ピッチャーだから下半身強化のため、とにかく走れ!」と長距離をたくさん走らされたそうだが、下半身を鍛えることになるのかとずっと疑問に思っていたそうである。大リーグに移籍後、この話を大リーガーの投手たちにすると「全く意味がない。長距離を走ることで下半身を鍛える? そのような指導を受けたことがない。」と。ダルビッシュは「やはり自分が正しかった。」のだと実感したそうだ。移籍して10年、彼はここへ来てやっとコーチングの真髄を理解し始めたと言う。時折、日本の監督やコーチが大リーグの野球を観るためにやって来るそうだが、10年在籍してやっとわかるほど奥が深い本場のコーチングを彼らは数日間で理解したかのように帰って行く。しかし、自分たちが選手時代習ってきたコーチング手法にまた戻ってしまっていると嘆いていた。野球だけに限らず教育の分野でも同じことが起きていると思った。
いつも書いていることだが、先生は教えることが仕事。子どもたちに授業の内容をしっかり教え、いろいろな工夫をしてより理解させることが仕事だと思う。

先日、公立中学の公開授業の見学をさせてもらった。その教師就任1年目の理科の先生の授業が酷かった。経験不足もあるのだろうが、指導書を棒読みしているのが丸見えである。子どもたちも公開授業なのに授業をあまり聞いていない様子。授業後、子どもたちに「なぜ、みんな授業を聞いていないの?」と聞くと「教科書に書いてあることだけしか話さないから。いつもよくわからない授業。」と言っていた。一緒に見ていた校長先生と教頭先生に聞くと「この先生の定期考査の平均点が非常に悪い。」と言う。なぜ悪いのかは明白である。しかし、両者とも忙しいのか手を打っている様子は見受けられない。そこにも問題がある。外国を真似しろと言っているわけではない。どうしたら子どもたちにより理解させられる授業が出来るのかを勉強する必要があると思う。自分が習ってきたこと、教えてもらってきた方法が今の子どもたちには通用しないのではないかと言う疑問を持つ必要がある。学校の先生は資格を有すると更新することがない。だからなのか、古い手法をそのまま受け継いで授業に当たっているように思える。これでは教師としての仕事ではなく作業である。

「ダルビッシュ・有選手」は、本場のコーチングを受けながら10年経過してやっと「なぜこうしているのか。」が理解でき、それが今のパワーになっていると言う。コーチングを受け理解でき自分の物になったと言うことだろう、素晴らしいことである。教えられる側が理解できれば、その子どもの知識力は自然と増大して行く。先生も忙しいだろうが、古い授業の形にこだわらず世界中の色々な授業手法や教え方、理解のさせ方を積極的に勉強して、それを取り入れて行ってはどうだろうか。

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