COLUMN

コラム

2021.06.10

食育の大切さ

妻は料理が好きで、子どもが小さい時に良く言っていたことがある。「美味しいものを、無添加のものを家でしっかり食べさせていれば子どもは非行に走らない。」生き物の欲求の中で食欲以上のものはないからだと。確かに我が家は子どもが小さい頃、食事は圧倒的に自宅であった。外食しても今の子どものように美味しい美味しいと外食で出される料理を食べていた記憶がない。大きくなって学校の帰りが遅くなりどんなにお腹が空いても必ず家に帰って来てから食べていた。そう言った意味では子どもたちは誰も非行に走らずしっかりした味覚感を持ち育ったと言える。時代は違っているが確かに食欲に勝るものはないと感じている。

かたや最近の小学生はどうだろう。15%近くの子どもが朝食を毎日とってこないで登校して来ると言う。外食の頻度も週1回が全体の50%を超えているのである。共働きも増え親が忙しくなり、塾や習い事もあり家族の時間が合わず、なかなか子どもたちの食の世話がしにくい社会になってきているのも事実である。学校給食を専門に研究している先生方に聞くと、こう言った現実社会があるので、給食は今まで以上に栄養補給と言う意味合いも持って、しっかりした栄養バランスを考え作っていると言う。この給食の献立が家庭生活での食事の献立見本になっても大丈夫なようにいつも考えていると言う。

外食が悪いとは言わない。共働きで朝が早いから寝起きの子に嫌がる朝食を出しても食べない、と言う話もあるだろう。しかし、それは子どもの時間に親が合わせているからではないだろうか。親の時間に子どもを合わせるのが筋であろう。お母さんたちは会社に出て行く時間が早いから、早く朝ごはんを食べて欲しいのだと言い、その時間を早めてはどうだろうか。8時に登校する子ども、今まで7時に起こしていたのを6時に起こせば朝ごはんを食べるようになる。それぞれの家庭はみな家庭環境が違う。子どもに自分が置かれた家庭の事情を、食を通じて教えるのも教育。長い目で見れば、その方が子どもの成長に良い影響をもたらすことが出来る。もちろんそこには親の努力が必要である。ただ、作り食べさせるのではなく、食べながら食べ方、礼儀、作法といった食育も出来る。自分に仕事があるからと言ってそれを理由に朝ごはんを省略してはいないだろうか。塾や習い事で家族揃って夕飯が食べられない、何回も作るのは大変だから外食やコンビニ弁当で済ませてはいないだろうか。これは母親として、親子として不幸であると思う。外食やコンビニ弁当が子どもたちに好まれるのはお母さんの味が消滅してきているからである。

知育、徳育、体育と良く言われるが、食育はこのどの教育より上に行くものだと思う。

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