COLUMN

コラム

先日NHKでシロクマの親子の話があった。シロクマのメスは厳寒の中、2匹の子熊を連れながら狩りをし、子育てをする。しかし、シロクマのオスは子育てにはまったく参加しない。時として、飢えたオスがシロクマの親子を襲い、子グマを食べてしまうこともあると言う、なんとも残酷な話であった。哺乳動物を考えると、ほぼ同じパターンでメスは狩りもし、子育てもするが、オスは子育てを放棄している。動物のメスは非常に頼もしい。

人間の両親は子どもが出来ると「女の子には優しく、優しく」「男の子には強く、強く」と言いながら育てる。動物の世界を見ていてこの言葉はなるほどと思わせられるところがあった。シロクマもライオンも大半の哺乳動物は生物的に生命力も含め圧倒的にメスがオスよりも強い。これを人間に置き換えると元々女の子(女性)は強いのだから優しく育つように、男の子(男性)は弱いのだから強くなってほしいと言う願いを込め、育てるのであろうと思った。なぜかしらわからないが、野生動物が大自然の中で生きて行くには、「弱点を補填する。」と言う事が自然の摂理にそぐい、長い年月をかけDNAに組み込まれているのではないかと思う。

「動物的な勘」と言うことばがある。論理的ではないが、そぐっていることが多々ある。自分の子どもを育てる中、ひょっとすると親はこの「動物的な勘」を働かせているのではないかと思う。「勉強しなさい、勉強しなさい。」とばかり口うるさく言う親の子は、勉強が嫌いか成績が悪い子どもが多い。何も言わず、放任的に見守る親の子は成績の良い子どもが多い。つい最近まで私は前者のような親をバカ親と軽蔑していた。しかし、今は少し違う。人間も動物だから弱いところを無意識に「動物的な勘」でキャッチしていて「弱点を補填」しているのではないだろうか。そう考えると、非常に動物として理解出来る。子どもに強いることばや行動はDNAに刻まれた生存競争で生き抜く為の「弱点を補填」の一つなのだろうか。
学者ではないので真相はよくわからないが、そう思うと少し心が休まる。

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