COLUMN

コラム

2019.12.19

大臣の忘れられない言葉

以前、元文部科学省大臣 島村宜伸先生と同席する機会があった。その席で先生が話された言葉が忘れられない。「戦後教育を反省すると、日本の教育を支えていた家庭教育、社会教育が大きく後退し、学校教育に全てが委ねられた。その学校教育は知育優先で、徳育・体育をないがしろにしてしまった。」
昔の子どもたちは、学校から帰ってくるとカバンをほうり投げ、一目散に遊びに出かけ、暗くなるまで遊んでいた。今、放課後時間、近くの公園を見ても子どもの姿は全くと言って良いほどない。色々な習い事、塾通いで放課後の時間もとられてしまっている。島村先生が言った知育優先教育になってしまっている。

<学校教育に委ねてしまった失敗-1>
実際に教える側の先生に授業の内容の質問をしてみた。『なぜ鉄棒の逆上がりが必要なんですか?』 『なぜ小学一年生ではひまわりを鉢植えで育てているのですか?』答えは、概ね『指導要領に書いてあるから。』学校教育に全てが委ねられてしまった先生方は教える質としての内容より、教える量が多くなってしまい、じっくりその授業を吟味する時間もなく、疑問すら持てなくなってきているのが現実。
子どもたちの教育は疑問『なぜ』から始まるのではないだろうか。教える側に教える内容の『なぜ』がなければ、受け止める子ども達も『なぜ』を考えると言う思考も薄れてしまうだろう。
だから、『答えの決まっているその出し方の手法を習得し得た子ども』、『暗記して答えを貯められる子ども』だけが、試験で成績上位をしめるようなことになる。受験にしても同じ素養が大半試させられる。日本の教育はこれでいいのだろうか。先生方は自分の時間を削って一所懸命子どもたちと向き合ってはいる。なのに考える力、考えさせる力を学校という仕組みが削いでいるように思えてならない。
<つづく>

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